1日の食事回数は、短期的には「食物の産生熱量(TEF)」に影響をおよぼします。TEFとは、消化吸収や栄養素を体内に行きわたらせるのに使われるカロリー量を指します。でも24時間のトータルで考えたら、結局は同じことです。栄養に関する学術誌『The British Journal of Nutrition』に発表された研究で、被験者を1日3食と6食のグループに分けて追跡したところ、摂取カロリーと栄養価の総量が同じならば、代謝量も変わらないとわかったそうです。
では、食事のタイミングはどうでしょうか。臨床栄養学の学術誌『The American Journal of Clinical Nutrition』に去年発表された論文では、ボランティアの被験者を朝食を食べるグループと食べないグループに分けて、毎日そうするように指示しました。つまり、食べるグループなら1日も朝食を抜かさない、食べないグループなら毎日抜かすというわけです。結果的に、普段の食習慣をそのまま続けることになった被験者と、変えることになった被験者が出ました。16週間後に身体測定を実施したところ、有意な体重減少が見られた被験者は1人もいませんでした。全体の平均では、減量したのはわずか1ポンド程度(約0.5kg)。グループ全体では、朝食を抜かそうが食べようが、体重にはまったく影響しなかったのです。似たような研究で、期間が12週間のものもありますが、やはり朝食を食べるか食べないかにかかわらず、体重の減量幅に有意差は生じなかったとのことです。ただしこちらの実験では、被験者は減量自体には成功していて、普段と食習慣を変えるように指示された被験者は、特に減量幅が大きかったそうです。