最強の発がん性物質“ニトロソアミン”

窒素は植物の成長に欠かせない元素です。
ところが空気中の80%はその窒素なのです。
そのまま吸えばいいようなものですが、植物は空気中の窒素をそのまま
吸収することができないのです。主にアンモニアや硝酸などの無機態窒素
やアミノ酸などの有機態窒素で吸収されます。
有機物→アンモニア→亜硝酸→硝酸⇒植物が吸収
植物の体内に入った硝酸は
硝酸→亜硝酸→アンモニア→アミノ酸→蛋白質⇒植物の細胞等を作ります。
このアンモニアからアミノ酸を合成する時に、光合成によって葉で作られた
炭水化物が使われます。
もし、無計画に大量の窒素肥料を投入したり、天候不順で光合成があまり
できないと、吸収された硝酸がアミノ酸まで合成されずにそのまま植物
体内に残ってしまうことがあるのです。
これが、最強の発ガン性物質“ニトロソアミン”をつくる素になってしまいます。
ニトロソアミンは“亜硝酸”と“二級アミン”が反応してできる物質です。

欧米では、硝酸態窒素の残留濃度基準を3000ppm未満と定めていますが、
日本は硝酸態窒素の残留濃度基準を定めていないのです。だから、2万ppmを
越えるような危険な野菜が、百貨店やスーパーで平気で売られています。
特に未成熟で収穫する葉物野菜は要注意です。
有機栽培といえども、その栽培方法によっては必ずしも安心安全とは言えない
のです。
ニトロソアミンをつくるもう1つの材料、二級アミンも食物の中にたくさん
あります。特に、魚の肉や卵に多く含まれています。
この二つが胃の中で反応して“ニトロソアミン”が作られてしまいます。
この反応を防ぐごとが出来るのはビタミンCです。
ビタミンCたっぷりのレモンなどの果物をジュースにして飲んだり、ビタミンCたっぷ
りで、かつ、硝酸態窒素の少ない野菜を選ぶことが大切です。

がん予防の見地から無肥料栽培の野菜を推奨しているお医者さんもいますね。
食を預かる農家のはしくれとして、
作物が必要とする栄養素を過不足なく与える栽培方法を追求します。

“せとか”を守れ!

収穫直前にして、鳥の餌になるのは悲しいので、対策をしました。

風に揺れてキラキラ光るテープを買ってきて、囲いました。
さらに細い糸を縦横斜めに張り巡らしました。
写真ではわかり辛いかも知れません。
カラスが近くの電柱から、私達の作業をカァカァ鳴きながら見守っています。
さぁ。これで近寄れまい!
と思ったら、ヒヨドリやメジロは何事もないように木の中に入って
いきやがります。(涙)
今のところカラスは降りて来てないようですが。。。
どうやら期待したほど効果はないようですね。
そういえば、キラキラ光るテープには“すずめよけ”って書いてあったなぁ。
すずめにしか効果ないのかしらん?

“せとか”狙われる。

最近、畑にやたら野鳥が沢山いるのです。
カラス・ひよどり・メジロなど。
彼らが狙っているのが、唯一この畑で実をつけている“せとか”だったのです。

“せとか”は通常2月末頃に収穫するので、寒波による被害を避けるため
このように“ストッキング”のような袋を被せて越冬させています。
さらに、この黒い袋が鳥獣害から“せとか”を守ってくれている。。。。
はずだったのですが。
最近この袋がよく剥がされて地面に落ちているのです。
実が付いてる時は、また拾って被せるのですが、袋は落ちているのに、
成っていたはずの実がなくなっていることがよくあります。
カラスが持って行っちゃたのかしらん?よくみかんをくわえて空を飛んで
いるのを見かけます。
幸い何事も無く無事に袋を被っている写真の“せとか”ですが。
実は、反対側から見てみると、

ご覧の通りです。(涙)
調べてみるとあちこちでやられています。

もうすぐにでも収穫したいところですが、この“せとか”は収穫後はあまり
日持ちがしないのです。

糖度は十分あるのですが、まだ少し酸が高いので、もうちょっと木に
成らせて置かねばなりません。
昨年は一個もこんなことなかったのですけどね。。。
年々作りづらくなっています。

TPPについて

畑でラジオを聴きながら仕事をしていると、この時期国会中継を
やっていることがあります。
今は23年度の予算審議が行われています。
私も農家のはしくれなので、“TPP”についてちょびっと関心が
あるので注意して聴いているのですが、共産党の志位委員長の話が
とても分かりやすかったので、志位氏のHPから抜粋させていただきました。
志位氏は、菅政権が推進するTPP(環太平洋連携協定)について、
仮に日本が参加した場合、アメリカとの2カ国だけで参加・交渉国の
GDP(国内総生産)のうち90・8%を占めることになるとして、
「日本にとってのTPP参加は、例外なしの関税撤廃を原則とする、
日米FTA(自由貿易協定)締結となるということだ」と指摘。
「『アジアの成長の取り込み』どころか、アメリカの対日経済戦略に
組み込まれることになる」と批判しました。
その上で、政府が目指す「食料自給率50%」と「関税ゼロ」が
どうしたら両立できるのかと追及。農水省が2007年にまとめた試算で、
「大規模化」をやっても米国やオーストラリアとは太刀打ちできず、
価格補てんのため毎年約2兆5000億円をつぎ込んでも「自給率の低下等
は避けられない」と認めていると指摘しました。    (以上)

それにしても。“TPP”の話が丁度、尖閣問題で中国と揉めていた直後に
唐突に出てきた事を考えると、アメリカから安全保障を人質に実質的に
条件が極めてしい“日米FTA”を押し付けられたと言うのが真相なので
はないでしょうか?
近年台頭してきた、隣国中国とどのように対峙していくのか。。。
今の政府は軍事だけでなく経済もひっくるめてアメリカの傘下に入ること
で対応しようとしているようです。果たしてこれが開国と言えるのでしょうか?
私のような零細農家は、どんな状況になろうとそれに適応して生き延びて
いくしかないのですが、TPPに参加して今後食糧自給率がさらに減少して
いき、そこに万が一天候不順等で食糧危機が起こったら。。。。。
菅総理の答弁を聞いていると明確な自給率向上への手立てを持っていないようです。

立春です。

今日は“立春”ですね。
こちら大三島も暦通りの天気で春のように暖かい一日でした。
みかんの木も春が近いことを感じているのでしょう。枝先に小さな
芽が沢山出ています。

最近は、みかんの木の床屋さんになっています。
鋸と鋏をもって、みかんの枝をチョッキンチョッキン切っています。
就農したての頃は、枝を切るのはみかんの木が可哀想で抵抗がありました。
最近はみかんの木が健康に育つために必要なことだとわかったので
ビシバシ切ってます。(笑)
枝を切ることを“剪定”って言うのですが、様々な切り方があって
結構奥深い世界なのです。
今年は先月道法氏に教わった“切り上げ剪定”で行っています。
実際に自分でやってみても、切る枝が明確でわかりやすいです。
春になって、どんな芽が出てくるのか楽しみです。