日本の篤農家 須賀一男さん(2)

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先日ご紹介した“須賀一男”さんですが、彼ついて書かれた書籍『土にいのちと愛ありて』という本があるのを知り、アマゾンンで取り寄せて読んでみました。

これが滅茶苦茶面白くて、同じ志を持つ農家としてとても勉強になりました。初版が1988年ですから、福岡正信さんの『わら一本の革命』よりも古くて、自然農法に関する本では一番古いのではないでしょうか。ただ、内容は今でもまったく古さを感じさせません。

以下、そのあらましです。

1957年一男は子供が生まれるのを機に自然農法に転換することを決意する。

<自然農法の考え方>                              人間が健康で健やかに生きていくためには、農薬や化学肥料に汚染されていない、清浄な食物を食べることが出発点となる。その清浄な食物は、清浄な土で栽培しなければならない。例えば、自然の草や木は、農薬や化学肥料を全く用いないでも、立派に生育している。大地には草や木を育む生命力があるからだ。その自然のままの土の生命力を農作物に応用していく。これが自然農法の原理である。自然農法を初めて提唱したのは、哲学者あり宗教家でもあった岡田茂吉氏である。

転換1~2年の間は、まだ土壌に養分が残っているので順調にいったが、3年目以降は激しい生育不足で著しい減収に襲われた。

“あんなに畑を荒らしてはずかしくないのかね~” “あんなざまでは、とても百姓じゃ喰って行けねよなぁ”。。。村の人たちの陰口もしきりに耳に入ってくる。

そんなある日、枝豆を納めていた八百屋から連絡が入った。慣行栽培と比べて見劣りする枝豆だが、この枝豆は味が違う。甘みがあってとても美味しい。もっと食べたい。とお客さんから指名が入ったのである。八百屋もお客さんもその枝豆が自然農法で育ったとは知る由もない。お客の舌は自然農法の枝豆の味を敏感に察知したのだ。

更に知人が重い病気で、食べたものが喉を通らず、すぐにもどしてしまい、日に日に衰弱しているときに、一男が育てた自然農法の米と野菜だけはもどさずに美味しい美味しいと言って食べれたのである。その結果知人は体力は回復し病気は快方に向かったのである、

作物の収量は半減し、反対・非難・冷笑の渦の中で心身ともに打ちしおれていた夫婦にとって、自然農法の未来はこうなる、という神の啓示のように感じられ、二人の心には、小さいが、明るい希望の灯がともったのだった。。。。。。

夫婦で歩んだ自然農法の道。私たちの文明は、どこへ行くのか―。戦後の化学肥料、農薬の潮流に危険を感じて、自然にぬかづき、大地の声に耳をかたむけて新たな農業を生きた、一組の夫婦の27年間の感動の記録である。

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当時は今日のように自然農法についてほとんど知られていない中、その実践には大変なご苦労があったと思います。そんな中、自然に対する観察力や研究熱心さには本当に敬服いたしました。

なぜ、一男さんが有機農業では普通に使っている、牛や豚の厩肥や鶏糞を使わず、植物性の自然堆肥にこだわるのかというと。驚くべき事実があったのです。

自然堆肥で栽培したもの、豚や牛の厩肥や鶏糞で栽培したもの、化学肥料で栽培したものの比較実験を見たことがあって、それぞれの作物を試験管の中に入れ、二週間ほど経ってから匂いを嗅いでみると、それぞれの原材料の匂いがしたのだそうです。  それで自然堆肥が作物の栽培に一番適していると思ったのです。

彼は養豚もやっていて、その厩肥を畑の堆肥として使い、循環させていたのですが、この事を知り、養豚もやめてしまったのです。

原材料の匂いって。。。。衝撃的でした。

 

須賀一男さんのことが、あの有吉佐和子の『複合汚染』に詳しく書かれています。彼女が実際に一男さんの畑に行って、取材しているのです。

複合汚染(ふくごうおせん)は有吉佐和子の長編小説。1974年10月14日から1975年6月30日まで朝日新聞に連載された。連載中から大きな反響を呼び、連載終了前の1975年4月に新潮社から単行本上巻が出版され、7月に出版された下巻とあわせてベストセラーとなった。現在でも環境問題を考える上でしばしば言及されるロングセラーとなっており、レイチェル・カーソン『沈黙の春』の「日本版」にも例えられる。

タイトルの「複合汚染」とは、複数の汚染物質が混合することで、個々の汚染物質が単独の場合に与える被害の質、量の総和を超える相乗的な汚染結果があらわれることである。<ウィキペディアより>

沈黙の春』は、1962年に出版されたレイチェル・カーソンの著書。DDTを始めとする農薬などの化学物質の危険性を、鳥達が鳴かなくなった春という出来事を通し訴えた作品。<ウィキペディアより>

 

上記3冊とも、熱烈におススメします❤

 

 

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