一代交配(F1)の種は安全か?

Pocket

昨日の“若草友子”さんの記事の中に、こんな言葉がありました。

「農薬や化学肥料も怖いけど、バイオやF1の種はもっと怖い。日本人の体は化学物質で悲鳴を上げている。病気になって当たり前。ならなかったら奇跡だわね。基となる作物の種に生命力がないんだもの。そんなものを食べ続けて元気になるはずがない。
とりあえず、米や野菜は必ず在来の種で育ったものに限り、F1の怖さを知った頃から、野草料理を手がけるようになったの。 」

僕の菜園で育てている野菜たちも、実はこの“F1”が多いです。写真の左上に“一代交配”って書いてるでしょ。

野菜にしても果物にしても品種改良が頻繁に行われているので、特に違和感なく使ってました。危険な種という認識は全くなく、交雑した品種なので2代目以降は1代目の特徴を引き継がない恐れがある訳で、農家は毎回種を買わなければならず。種屋さんが儲かる仕組みなんだなぁくらいに思っていました。
調べてみると、交雑に使う“親株”に問題があるのです。遺伝子異常の奇形の株を使っているのです。
アメリカで交配で使われていたミツバチが突然いなくなったのも、最近の男性の精子の減少もこの“F1種”が原因の一つと考えられているそうです。
とてもわかりやくす解説してくれているサイトを見つけましたので、以下に紹介します。長いので抜粋しています。
以下、子育てメディアの記事から抜粋
F1種」とは、どんなものなのか作り方を見てみましょう。

例えば、ナスやトマトは自分の雄しべの花粉で自家受粉します。
これでは、親世代と同じ形質のものしか取れませんので、求める形質をもつ雑種を作ることができません。
そこで他の品種と交雑させます。
形が揃うように、また色のばらつきがないように、
運ぶ際に崩れないように皮を厚くしたり、
ある特定の病気の耐病性をもたせたりと、
遠い系統の品種や、違う野菜との交雑が行われます。
交雑させた1代目(F1)は、メンデルの法則に従って優性だけが現れます。
昔学校で習ったあれです!

【参考:メンデルの遺伝の法則】
http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textbook/genetics.htm

遠い系統の花粉をつけることで、雑種強勢(ざっしゅきょうせい)が働いて、
1代目の形質は、目的とする都合の良い優性形質が得られます。
ただ、自然に任せていたら自家受粉されてしまい、
思うような野菜が得られないので、「除雄(じょゆう)」という作業を行います。
字からも分かるように雄しべを人為的に取り除いてしまうことです。
そして、雌しべが受粉可能になるときに、別品種の花粉をつけてやるというわけです。
これらF1種の作物から採取した種を翌年利用することはできません。
なぜなら、F1世代を交雑すると、F2世代では隠れていた劣性形質が出現し、
求めている形質を得ることができないからです。
その為、F1種は1度限りの収穫で、農家は翌年以降はまた種を種苗会社から買い続けなければなりません。

F1種=悪 というわけではない

話をもどして、
このF1種は、農家や物流、一般消費者のニーズにうまく合致し、あらゆる野菜で普及してきました。
F1だからダメだと完全に否定するものではなく、後に記すF1の作り方に疑念があるという捉え方が正しいと思います。
「揃い」が良いので、箱に詰めやすく物流コストが下がり、重さや形もばらつきがないので値付けしやすいなど、見栄え重視の消費者ニーズにもマッチしてきました。
農家としても一斉に収穫できるため、畑が空き、次の作物を植えることができ、土地を効率的に使うことができるなど、メリットがたくさんあります。

では、このF1種にどんな問題が潜んでいるのか?

思い出してください。先ほど、「除雄」という作業を行い、
人為的に雄しべを取り除くといいましたが、これがとても労力のかかる作業なのです。
素人的に考えても、広い畑に咲いた花一つ一つを、手作業で除雄を行うと思うと気が遠くなります。
そこで近年利用が増えてきているのが、「雄性不稔(ゆうせいふねん)」という方法です。
この「雄性不稔」という言葉は、聞きなれない言葉ではありますが、
不稔とは、雄しべや葯(やく)に異常があり、花粉を作れない又は花粉の機能不全を意味します。
動物で考えると、つまり男性不妊・無精子症などに当たります。
そう、この雄性不稔F1種というものが問題視されているのです。
この雄性不稔の花は、1925年アメリカのタマネギ畑で見つかりました。
【参考写真 <出典>「チューさんの野菜ワールド」より】
http://www.h6.dion.ne.jp/~chusan55/hatena12/51hatena5.htm
はじめから雄しべや葯に異常があって、花粉をつけないとなると、
これまで行っていた「除雄」の手間が省けます。
このタマネギは利用できる!と、交雑を繰り返し、花粉の出ない雄性不稔タマネギを作りました。
この雄性不稔タマネギは自家受粉しないので母親役として使い、
父親役として、別系統の性質をもつ品種を、近くに植え、ミツバチを使って交配すれば、
お目当ての性質をもったF1タマネギの出来上がりというわけです。
この初めての雄性不稔F1タマネギが発表されたのが、第二次世界大戦中の1944年(昭和19年)でした。
その後、多くの野菜で雄性不稔株が見つかり、
タマネギ、トウモロコシ、ニンジン、ネギ、ナス、テンサイ、ヒマワリ、シュンギク、レタス、シシトウ、インゲン、カリフラワー、ブロッコリー、大根、キャベツ、イネなどへと広がり、雄性不稔F1品種がつくられ、普及してきています。
将来、市場の野菜のほとんどが、雄性不稔F1品種になる時代がすぐそこまで近づいています。
問題はここからです。
この雄性不稔株は、本来であれば遺伝子異常の形質であり、自然淘汰されるものです。
人間はそれを逆手に取り、この遺伝子異常の作物を増やし続けていることになります。


雄性不稔はどうして生まれるのか?

では、このような雄性不稔はどうして発生するのでしょうか?
最近では、ミトコンドリア遺伝子の異常が雄性不稔を引き起こすことがわかってきました。
動物の場合でも、ミトコンドリア遺伝子の突然変異をマウスに導入すると、
そのマウスは精子数が減少し、精子の運動能力が落ちて不妊症に陥ってしまうことが確認されています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20061003/index.html
私たちの細胞一つ一つに、多い場合で数千個も存在すると言われるミトコンドリア。
細胞のエネルギー生産になくてはならない存在です。
このミトコンドリアは、私たちの遺伝子とは別のミトコンドリアDNAを持っています。
このミトコンドリアDNAは、母系遺伝することが分かっており、
父方のミトコンドリアDNAを受け継ぐことはありません。
常に母方のミトコンドリアDNAが、子へと引き継がれていきます。
雄性不稔F1種の野菜がどんどん普及するということは、
男性不妊症のミトコンドリアDNAをもった野菜を量産することになります。
ミトコンドリアは、動物や植物はもちろん菌類などでも共通するものです。
この異常なミトコンドリアDNAをもった野菜を、日々食べ続けて人体に影響がないという確たる証拠はまだありません。
自然界に対する影響も、将来どのような形で現れるのかいまだ不明です。
遺伝的形質というものは、じわりじわりと生命や生態系にまで影響を与えていくものです。

一代交配(F1)の種は安全か?」への2件のフィードバック

  1. いつも為になる情報をありがとうございます。F1種怖いですね。アメリカではUSDA認定のオーガニック種も売っていますが、それが原種なのかどう安全なのか調べて見たいと思います。また、F1と書いてなければ全部原種なのでしょうか?
    先週種まきをしたばかりなのでちょっと心配になってきました。その中にF1のものがあるか明日確認してみよっと。

  2. ピロコさん。いつもコメントありがとうございます!
    現在では、市販されている野菜類の九割以上がF1品種となっており、しかも、アメリカのモンサント社という多国籍企業がFl品種の種子をほぼ独占しているそいうです。F1品種の優秀性は一代限りなので、採種しても意味がないため、農家はモンサント社からの種子を購入し続けなければなりません。
    日本の野菜類の自給率は約八割ですが、その 種子はアメリカからの輸入に依存しており、かつ依存し続けなければならない状態になってしまっているの です。アメリカのモンサント社は、F1品種の特殊性と日本の農業の構造を戦略的に活用して、日本を支配する恐るべきパワーを手にしたといわれています。
    かなり心配な状況ですね

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA