君に言ってるんだ!君に歌ってるんだ!

アルゼンチンで進むモンサントの巨大な遺伝子組み換え種子工場の建設を止めるために、住民たちが座り込みの闘争を始めてから3ヶ月がたった。

この間に座り込む人びとに暴行、脅迫が加えられた。特に娘を亡くしてモンサントの遺伝子組み換え大豆の耕作による害を調べ、農薬の空中散布の規制を実現して、ゴールドマン環境賞を受賞したソフィア・ガティカさんには殺害脅迫まで届いている。しかし、誰としてひるむことなく、抵抗は続いている。

この抵抗に若者の音楽グループ、ペロ・ベルデが “モンサント 出てけ” という素晴らしい音楽で若者を鼓舞する。まずはご覧いただきたい。

このビデオでも抵抗の先頭に立つソフィア・ガティカさんの姿が出てくる。彼女は娘の死んだ理由に納得がいかず、周辺の母親に話しをして、その町が全国平均の41倍のガン患者を出していることを調べ出す。詳しくは 遺伝子組み換え大豆の農薬空中散布を止めた母親たちをご覧いただきたい。

遺伝子組み換え大豆の耕作によって、どのような健康被害が出ているかについてはアルゼンチン、遺伝子組み換え大豆の農薬噴霧で居住不能になった町をご覧いただきたい。

ここで耕作される大豆は95%が外国に輸出される。その大豆もまた毒に満ちている。その毒に満ちた大豆を家畜や加工食品を通じて、私たちは食べている。私たちがその毒を食べることは、それを育てる大地で多くの人を農薬で犠牲にすることにつながっている。どちらも拒否しよう!

このおかしなシステムに警鐘を鳴らしてくれたペロ・ベルデの音楽を、アルゼンチンの人びとだけでなく、日本の人にもぜひ聞いてほしい、ということで日本語版を作ることができた。ぜひ、ぜひ多くの人に共有してほしい。

2014年1月11日追記:1月8日にアルゼンチンの地方裁判所はモンサントの種子工場建設が憲法に違反しているとして環境影響評価書を作成するまで建設停止を命令した。現在、建設は止まっている。

 

 

以上Tomo’s Blogさんから転載

愛情たっぷり!フルーツ酵母パン

前回の記事で酵母菌の種類によって、同じ材料で全く違うビールが出来ることを

書きましたが、パンについても同じことが言えます。

今回も無理を言って北海道の“みち酵房”さんにフルーツ酵母で焼いたパンを

送って頂いちゃいました。

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どれも本当に美味しそうなパンでしょ?

イチゴや柚子の酵母を使って作られたパンなんですよ!

素材のフルーツの色や風味がしっかり出ていますよ:sparkling_heart:

その上、ナンタッテわざわざ手作りで酵母をおこして焼いたパンですから

愛情たっぷり入りのパンなんです:cupid:

僕らも畑の微生物を上手に活用して、作り手の思いが伝わる農作物を

お届けしたいと思っています。Sweet Kiss

絶品のフルーツ酵母パン←過去記事

 

一代交配(F1)の種は安全か?

昨日の“若草友子”さんの記事の中に、こんな言葉がありました。

「農薬や化学肥料も怖いけど、バイオやF1の種はもっと怖い。日本人の体は化学物質で悲鳴を上げている。病気になって当たり前。ならなかったら奇跡だわね。基となる作物の種に生命力がないんだもの。そんなものを食べ続けて元気になるはずがない。
とりあえず、米や野菜は必ず在来の種で育ったものに限り、F1の怖さを知った頃から、野草料理を手がけるようになったの。 」

僕の菜園で育てている野菜たちも、実はこの“F1”が多いです。写真の左上に“一代交配”って書いてるでしょ。

野菜にしても果物にしても品種改良が頻繁に行われているので、特に違和感なく使ってました。危険な種という認識は全くなく、交雑した品種なので2代目以降は1代目の特徴を引き継がない恐れがある訳で、農家は毎回種を買わなければならず。種屋さんが儲かる仕組みなんだなぁくらいに思っていました。
調べてみると、交雑に使う“親株”に問題があるのです。遺伝子異常の奇形の株を使っているのです。
アメリカで交配で使われていたミツバチが突然いなくなったのも、最近の男性の精子の減少もこの“F1種”が原因の一つと考えられているそうです。
とてもわかりやくす解説してくれているサイトを見つけましたので、以下に紹介します。長いので抜粋しています。
以下、子育てメディアの記事から抜粋
F1種」とは、どんなものなのか作り方を見てみましょう。

例えば、ナスやトマトは自分の雄しべの花粉で自家受粉します。
これでは、親世代と同じ形質のものしか取れませんので、求める形質をもつ雑種を作ることができません。
そこで他の品種と交雑させます。
形が揃うように、また色のばらつきがないように、
運ぶ際に崩れないように皮を厚くしたり、
ある特定の病気の耐病性をもたせたりと、
遠い系統の品種や、違う野菜との交雑が行われます。
交雑させた1代目(F1)は、メンデルの法則に従って優性だけが現れます。
昔学校で習ったあれです!

【参考:メンデルの遺伝の法則】
http://www.tmd.ac.jp/artsci/biol/textbook/genetics.htm

遠い系統の花粉をつけることで、雑種強勢(ざっしゅきょうせい)が働いて、
1代目の形質は、目的とする都合の良い優性形質が得られます。
ただ、自然に任せていたら自家受粉されてしまい、
思うような野菜が得られないので、「除雄(じょゆう)」という作業を行います。
字からも分かるように雄しべを人為的に取り除いてしまうことです。
そして、雌しべが受粉可能になるときに、別品種の花粉をつけてやるというわけです。
これらF1種の作物から採取した種を翌年利用することはできません。
なぜなら、F1世代を交雑すると、F2世代では隠れていた劣性形質が出現し、
求めている形質を得ることができないからです。
その為、F1種は1度限りの収穫で、農家は翌年以降はまた種を種苗会社から買い続けなければなりません。

F1種=悪 というわけではない

話をもどして、
このF1種は、農家や物流、一般消費者のニーズにうまく合致し、あらゆる野菜で普及してきました。
F1だからダメだと完全に否定するものではなく、後に記すF1の作り方に疑念があるという捉え方が正しいと思います。
「揃い」が良いので、箱に詰めやすく物流コストが下がり、重さや形もばらつきがないので値付けしやすいなど、見栄え重視の消費者ニーズにもマッチしてきました。
農家としても一斉に収穫できるため、畑が空き、次の作物を植えることができ、土地を効率的に使うことができるなど、メリットがたくさんあります。

では、このF1種にどんな問題が潜んでいるのか?

思い出してください。先ほど、「除雄」という作業を行い、
人為的に雄しべを取り除くといいましたが、これがとても労力のかかる作業なのです。
素人的に考えても、広い畑に咲いた花一つ一つを、手作業で除雄を行うと思うと気が遠くなります。
そこで近年利用が増えてきているのが、「雄性不稔(ゆうせいふねん)」という方法です。
この「雄性不稔」という言葉は、聞きなれない言葉ではありますが、
不稔とは、雄しべや葯(やく)に異常があり、花粉を作れない又は花粉の機能不全を意味します。
動物で考えると、つまり男性不妊・無精子症などに当たります。
そう、この雄性不稔F1種というものが問題視されているのです。
この雄性不稔の花は、1925年アメリカのタマネギ畑で見つかりました。
【参考写真 <出典>「チューさんの野菜ワールド」より】
http://www.h6.dion.ne.jp/~chusan55/hatena12/51hatena5.htm
はじめから雄しべや葯に異常があって、花粉をつけないとなると、
これまで行っていた「除雄」の手間が省けます。
このタマネギは利用できる!と、交雑を繰り返し、花粉の出ない雄性不稔タマネギを作りました。
この雄性不稔タマネギは自家受粉しないので母親役として使い、
父親役として、別系統の性質をもつ品種を、近くに植え、ミツバチを使って交配すれば、
お目当ての性質をもったF1タマネギの出来上がりというわけです。
この初めての雄性不稔F1タマネギが発表されたのが、第二次世界大戦中の1944年(昭和19年)でした。
その後、多くの野菜で雄性不稔株が見つかり、
タマネギ、トウモロコシ、ニンジン、ネギ、ナス、テンサイ、ヒマワリ、シュンギク、レタス、シシトウ、インゲン、カリフラワー、ブロッコリー、大根、キャベツ、イネなどへと広がり、雄性不稔F1品種がつくられ、普及してきています。
将来、市場の野菜のほとんどが、雄性不稔F1品種になる時代がすぐそこまで近づいています。
問題はここからです。
この雄性不稔株は、本来であれば遺伝子異常の形質であり、自然淘汰されるものです。
人間はそれを逆手に取り、この遺伝子異常の作物を増やし続けていることになります。


雄性不稔はどうして生まれるのか?

では、このような雄性不稔はどうして発生するのでしょうか?
最近では、ミトコンドリア遺伝子の異常が雄性不稔を引き起こすことがわかってきました。
動物の場合でも、ミトコンドリア遺伝子の突然変異をマウスに導入すると、
そのマウスは精子数が減少し、精子の運動能力が落ちて不妊症に陥ってしまうことが確認されています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20061003/index.html
私たちの細胞一つ一つに、多い場合で数千個も存在すると言われるミトコンドリア。
細胞のエネルギー生産になくてはならない存在です。
このミトコンドリアは、私たちの遺伝子とは別のミトコンドリアDNAを持っています。
このミトコンドリアDNAは、母系遺伝することが分かっており、
父方のミトコンドリアDNAを受け継ぐことはありません。
常に母方のミトコンドリアDNAが、子へと引き継がれていきます。
雄性不稔F1種の野菜がどんどん普及するということは、
男性不妊症のミトコンドリアDNAをもった野菜を量産することになります。
ミトコンドリアは、動物や植物はもちろん菌類などでも共通するものです。
この異常なミトコンドリアDNAをもった野菜を、日々食べ続けて人体に影響がないという確たる証拠はまだありません。
自然界に対する影響も、将来どのような形で現れるのかいまだ不明です。
遺伝的形質というものは、じわりじわりと生命や生態系にまで影響を与えていくものです。

We are what we drink ??

We are what we eat.” 私たちの体は食べたものから出来ている
と言うことわざがあるのですが、であるならば
We are what we drink” ということも言えるのではないでしょうか?
なんたって、人間の体は体重の60~80%を水が占めているのですから、
どんな水を飲むのかが重要です。
もし、摂取する水に不純物が含まれていたり、汚染されていたら健康で
いられるはずがありません。
と言うことで、先日浄水器を買いました[emoji:e-2]
価格.comで調べたら、今一番売れている商品です。

何と15種類の物質を除去してくれます。これで¥3,000しないんですよ。

でも、これではまだ十分ではないんです。
水は酸化力の最も高い元素“酸素”と還元力の最も高い元素“水素”が結合
した物質なので、酸素の強い水が“酸化させる水”で水素が強い水が“還元
する水
”と言えます。
人は呼吸して酸素を取り入れているので、いつも体が酸化される危険にさら
されています。特に体内で酸素が“活性酸素”に変化すれば何十倍もサビさ
せる力が強くなります。
しかし、その時に体内の水が還元力の強い水であれば、活性酸素が発生した
時にすぐに消し去ることが出来ます。
次は還元力の強い水について調べたいと思います。

野菜スープ 第2弾!

今日、幸運なことに“前田先生”と電話でお話して野菜スープについて、いろいろお話をお伺いすることができました[emoji:e-2][emoji:e-2][emoji:e-51]
僕がそのお話を記事に書くよりも“自然食ニュース”という雑誌に詳しい記事が掲載されていて、ネットで公開されていますので、そちらをご紹介しますね。
なお“自然食ニュース”のホームページではバックナンバーを読むことが出来ます。
とても興味深い記事が沢山ありますよ

野菜は「万病の予防薬」 <
万病の元「活性酸素」を撃退する野菜のスーパーパワーと、有効な摂り方

崇城大学薬学部教授 熊本大学名誉教授 前田 浩先生

「野菜スープ」の本第二弾──『活性酸素と野菜の力』
 

前田浩先生には、本誌94年6月号(№246)で「野菜スープに、生野菜の10~100倍の活性酸素中和能力」というテーマでお話をうかがいました。
“高脂肪食と赤身肉の多食が脂質ラジカルを生成し、それが大腸がんをもたらし、それを緑野菜のスープが打ち消す”という先生のご研究は、それまでの多くの疫学調査結果を裏付けると同時に、野菜の摂取は長らく良いとされていた生食から、野菜スープやホットサラダなど煮野菜・温野菜が大きくクローズアップされるようになりました。
前田先生はこれらの研究成果を1995年に『野菜はがん予防に有効か──酸素ラジカルを巡る諸問題』という本にまとめられ、その第二弾として昨年12月に上梓されたのが『活性酸素と野菜の力』です。
最新刊では、病気と活性酸素のかかわり、活性酸素の生成要因、活性酸素を撃退する野菜のスーパーパワーについて、最新の情報を駆使してさらに詳細に検討され、改めて野菜のスーパーパワーと、生体利用能(バイオアベイラビリティ)を考慮した野菜の摂り方の重要性を認識させられます。
本誌でも取り上げた”緑の濃い野菜は硝酸イオン濃度が高く健康に悪い”という情報も、最近の研究では”野菜の硝酸塩はむしろ健康に寄与する”という方向に向かっているなど、最新情報を交え今回改めて前田先生に、「万病の予防薬となる」野菜の力についてお話を伺いました。
野菜丸ごとの抗酸化物質が万病を予防・改善

「野菜スープ」で老人斑・白内障が消えた

──先生の「野菜スープ」のご研究は、今になってみても画期的で新鮮なお話ですね。
前田
 新刊書に推薦文を書いていただいた愛知県がんセンター名誉総長の富永祐民先生は、旧版を読まれて野菜スープを飲むようになり老人斑が消えてこられた。今はアメリカで始まった食生活運動「5─A─DAY(1日5皿以上の野菜・果物を食べる)」の日本の協会長をされていますが、そのきっかけも旧刊で野菜の健康パワーを知り、野菜摂取の普及に貢献しようと思ったからだそうです。
九州大学医学部名誉教授の倉恒匡徳先生も野菜スープを飲み出して白内障が元に戻り、これまで白内障は元に戻らないといわれ、眼科の先生が「信じられない」と驚いたということです。
富永先生は野菜スープを主に薄味の野菜鍋として、倉恒先生はニンジンやダイコンの葉など緑色野菜中心のスープをミキサーで撹拌し冷蔵庫に作り置きされているというので、ビタミンCを入れると良いとアドバイスしました。ビタミンCには抗酸化作用の他に殺菌作用もあり、抗酸化剤と同時に防腐剤にもなるんです。私自身はといえば、市販の野菜スープを愛用しています(笑)。
活性酸素は老化・万病の最大公約数

──先生も94年インタビュー当時と今と殆どお変わりないですね。
天然の抗酸化物質が凝縮された野菜スープは、まさに老化予防、万病予防の妙薬といえますね。
前田
 老化や、がん、動脈硬化、糖尿病、アトピー性皮膚炎、種々の潰瘍、リウマチ、アルツハイマー病、感染症など、多くの急性・慢性疾患に活性酸素(酸素ラジカル)の関与がいわれています。
活性酸素は、紫外線や放射線、農薬や抗がん剤を含め多くの化学合成物質、タバコ、排ガスなどの公害物質等の曝露で体内で生成される他、呼吸から取り込んだ酸素、ウイルス感染、ストレスなどでも体内で生成され、細胞を傷害したり、遺伝子を損傷したりするわけです。
人間も、活性酸素の防御機構を備えています(SODなどの抗酸化酵素やグルタチオンなどの抗酸化物質)。しかし、活性酸素の生成要因が多い現代では、これだけでは病気は防げない。活性酸素を中和する抗酸化物質が豊富に含まれている野菜を有効に摂取することがとても重要になります。
複合して生体を守る植物の抗酸化物質群

前田
 太陽光(紫外線)が植物の水に当たると活性酸素ができる。それを中和(無毒化)する抗酸化物質なしには植物は生き延びられないわけですから、植物は進化の過程で活性酸素による障害(酸化的ストレス)を回避する機構、すなわちさまざまな抗酸化物質群を獲得してきたわけです。
野菜やお茶、種子などの植物性食品には、ビタミンB群、C、E、ベータカロテン(プロビタミンA)、フラボノイドやポリフェノール、バニリン、バニリン酸、カフェ酸、没食子酸などの植物性芳香族化合物が含まれ、一般に強い活性酸素中和能を有します(表1・2)。
これらの成分は互いに共役して生体を防御しています。つまり、公害の複合汚染とは逆に、多成分であることが生体をより安全な方向に向かわせているわけです。
つまり、野菜の成分は固有の働きより、複合成分による働きが重要になります
例えば、ビタミンEは脂質ラジカルを消去すると自らビタミンEラジカル(E・)になりますが、これがビタミンCによって還元されて元のEに戻る。その時、ビタミンCはビタミンCラジカル(C・)になり、これをNADH(ビタミンB群の一つ。ナイアシンの誘導体)やグルタチオンが元に戻してくれるわけです(図1)。
かつて緑黄色野菜のがん予防効果はベータカロテンによるものではないかと推測されていましたが、喫煙者へのベータカロテン単独投与ではかえって肺がんのリスクを高め、ビタミンCの単独投与も発がんを促進することがわかってきました。ちなみに、ベータカロテンは紫外線でできる活性酸素などには有効な消去剤になります。
このように、野菜は多種類、複合成分をとることが大事です。
凶悪な活性酸素「脂質ラジカル」を消す「野菜スープ」

緑の濃い葉菜

前田
 数ある活性酸素種の中でも「(過酸化)脂質ラジカル」は、長寿命で、脂質でできている細胞膜との親和性が高く、細胞内に容易に侵入し、大変毒性が強く、がんや動脈硬化などにも深くかかわっています。がんにおいては、がん化の全ての段階(図2)に関与し、特にプロモーション(促進)からプログレッション(増殖)の過程で強く作用していると考えられています。
脂質ラジカルは、脂肪の酸化物(過酸化脂質)に鉄などの金属が接触するとできます。大腸がんは「高脂肪食と赤身の肉を多くとるほど頻度が高い」ことが多くの疫学調査で報告されていますが、これは高脂肪食によって糞便中にできた過酸化脂質が赤身肉の鉄(ヘム)と反応して脂質ラジカルができ、大腸がんを引き起こすと考えられ、私たちは実験でそれを証明しました。
さらに、この凶悪な脂質ラジカルを、野菜のスープ(煮汁)が中和し、ラジカルによる遺伝子損傷を抑えるだけではなく、がん化の促進も強く抑えることを明らかにしたわけです。
ラジカル中和能は、太陽光を強く浴びた緑の濃い野菜ほど強くヨモギ、シソ、ニンジン葉は特に強く、ダイコンやカブなども根よりも葉に強い活性がみられ、キャベツやハクサイなども外葉の方が内側の白い葉より5~10倍と断然高い活性がみられました(図3)。
なお、黄斑変性症や白内障など目の老化予防に良いとされるルテインやゼアキサンチンも、ケールやホウレン草など緑色野菜に多く含まれています。
ちなみに、オランダの大規模研究では、お茶(紅茶)1日500mlを飲む人は250mlの人に比べて心筋梗塞の頻度が半分で、これは紅茶のフラボノイドがLDLの酸化を抑えるためと考えられます。
なお、お茶は濃い茶よりも薄い方が抗がん効果が高いという報告があります。お茶にはタンニンが多く、過剰なタンニンは消化酵素の働きを邪魔したり、胃の上皮細胞を変性するので、それが関係している可能性もあります。
茶色や褐変する根菜類

前田
根菜類でも、ゴボウ、レンコン、芋類(サトイモ、サツマイモ、ジャガイモ)等、茶色や、白くても空気に触れて茶色に変色(褐変)する種類は、ラジカル中和能が高いことがわかりました(図4)。
葉の部分も当然、ラジカル中和能が高く、その利用も考えるべきです。
これら根菜類には食物繊維も多く、その効能も見逃せません。
豆類・種子類

前田
 豆類では、我々が「豆の四天王」と呼んでいる黒豆、小豆、緑豆、大豆に大変強い抗ラジカル活性がありました(図4)。
豆類同様、ゴマ、ナタネ、ナッツなどいわゆる種子類は、子孫を残すためにDNAとそれを育てるための栄養素がビッシリ詰まった命の本体のようなものですから、酸素や光で損傷しないように強力な防御成分が含まれているのも当然です。
野菜の有効利用

加熱の重要性とビタミンC・酵素の問題

前田
 植物中の抗酸化物質の多くは熱に強く、加熱によって生体への利用度は格段に上がります。
植物の細胞壁は硬い繊維質でできており、その主要成分のセルロースの分解酵素(セルラーゼ)を人間はもっていないので、噛むだけでは有効成分はほとんど体内に摂り込めず、排泄されてしまいます。ところが5分以上、硬いものでも20分も加熱すれば細胞壁は壊れ、中の有効成分が溶け出します(図5)。要は、柔らかくなれば良いのです。
私たちの実験では、煮汁は生に比べて、10~100倍も効果がありました(9頁・図3)。有効成分の多くは水に溶けるので、ボイルした汁を摂らないと意味がありません。また、セルロースはいろんな物質を吸着するので、水を加えて煮れば、細胞の中の有効成分も、セルロースに吸着している成分も外れて、煮汁の中に遊離して来るわけです。
戦後アメリカ食文化の影響で、野菜の摂取はサラダなど生野菜の方がビタミンCなども壊れず、優れていると喧伝されてきましたが、複合成分やバイオアベイラビリティ(生体利用能)の影響からは、野菜は加熱して摂るのが一番です。
ビタミンCも、ジャガイモなどの芋類や多くの野菜は丸ごとの加熱で大半が残っています。これは他の抗酸化成分と共存しているからです。また、ビタミンCは保存剤として多くの加工食品に添加されていますが、食品の保存に使われて酸化したとしても、体内でグルタチオンなどが元に戻してくれるので生体では元通り利用されます。
酵素も、生野菜でないと摂れないといわれますが、生野菜に限らず、食品中の酵素はほとんど消化管で失活してしまうので、あまり考慮する必要はないのです。酵素由来でできた物質が大切なんですね。
青菜に多い硝酸塩はむしろ有用

──最近、青菜に多い硝酸塩の害がいわれていますが。
前田
 食品からの硝酸・亜硝酸塩は、飲料水や野菜の硝酸塩が口腔内や消化管の微生物によって一部亜硝酸に変わるのと、また、亜硝酸塩はハムやソーセージの発色・保存剤として摂取されます。
ここ3年くらいの間に、食品由来の硝酸・亜硝酸塩は、抗酸化作用や血液をサラサラにするなど、むしろ有用であるといわれています。一昨年カリフォルニアで開かれた「国際NO学会」でも、硝酸や亜硝酸は体内で最終的にはNO(一酸化窒素)になり、NOはまず血圧を下げる方向に働き、抗酸化作用もあり、血液循環が良くなり、がんや心臓病、糖尿病、認知症などの予防になるなど、良いことばかり出てきました。
NOは大気中やタバコの窒素酸化物(NOx)など活性酸素もつくりますが、これもタール成分やディーゼルエンジン排出微粒子(DEP)などとの複合汚染が怖いといえます。程度問題ですが、野菜は普通に洗浄すれば過剰なものは取れますから、ほとんど心配ないと思います。
ちなみに、胃がんの原因は、かつては①亜硝酸と肉や魚などに多いアミンが胃酸と反応してできるニトロソアミン(ビタミンCはニトロソアミンの生成を防ぐ)、②肉や魚などの高蛋白食品の焦げにできるヘテロサイクリックアミンの関与がいわれてきましたが、③80年代後半に胃や十二指腸潰瘍の原因菌であるヘリコバクター・ピロリが見つかり、それが長期に慢性感染すると胃がんになることがわかってきました。すなわち、胃がんの発症と硝酸・亜硝酸塩は有意な相関はなく、むしろ負の相関、すなわち予防に働き(表3参照)、胃がんは、細菌の
慢性感染で炎症が起き、炎症部位からは活性酸素が生じ、これに高塩分食やヘテロサイクリックアミンが補助因子となって引き起こされると考えられています。
旬の新鮮なもの

前田
 出盛りの旬の野菜には有効成分が多いことがわかっています。私たちの研究でも有効成分はハウス物より太陽によく当たった露地栽培物に多く、味の点でも旬の新鮮な野菜は美味しいです。
今は長距離輸送で時間がかかり、その上に冷蔵庫に入れると、例えばホウレン草のビタミンCなどは5℃1週間で約半分、室温では2日で約70%も消失します。
農薬の問題

前田
 農薬は活性酸素を生成しますから、無・減農薬が望ましいのはいうまでもありません。
──野菜の抗酸化力が農薬の害を相殺するということはないですか。
前田
 余計な合成ケミカルは体に入れない方が良いと思います。ミカンでも皮にはかなり良い成分がありますが、農薬もかなりかかっているからやはり捨てた方が良い。
中国毒野菜を契機に、日本では06年5月より食品中の残存農薬や飼料添加物などに関する「ポジティブリスト制度」が発足し、日本で使用が認められない農薬の残留が陽性(ポジティブ)であれば廃棄処理するということになりました。しかし、最近の中国毒餃子で見られるように、加工食品には適用されず、しかも圧倒的な人材不足で制度がよく機能しておらず、マスコミにも忘れられています。
長期に複合して入ってくる食品の毒物の影響は、よくわかっていないだけに怖い。食の安全に、政府はもっと本腰を入れ、お金も十分かけて取り組む必要があると思います。
なお、植物自身も身を守るための天然の農薬ともいうべき化合物を有していますから、長い間食用にされてきた野菜は、野草などよりもその点安全だといえます。
塩分・鉄分・脂肪控え目で多種類の野菜をとろう

前田
 これまでお話しした野菜の他、植物性食品には脂質ラジカルの消去物質に限らず、多くの抗酸化物質が含まれています。葉菜、根菜、種子等、多種類の植物食品を摂取するのは、老化やがんを含めた生活習慣病の予防に確実につながります。
加熱すればカサも減り、それだけ多食でき、繊維質も十分量とれます。野菜の多食が動脈硬化など生活習慣病の予防になるのも、その分、高脂肪食品の摂取が少なくなることも関係するかと思います。
塩分、鉄分、脂質(特にコレステロールやリノール酸)の長期過剰な摂取は害になります(図6)。味は薄め、油は少なめ、鉄分の多い赤身の肉や魚は控えめで、多菜食に心がけて欲しいと思います。
※図表は12頁表3を除き、『21世紀の健康を考える-活性酸素と野菜の力』 前田浩著・金澤文子執筆協力、 幸書房刊より